海から川へ  ”たい”から”ます”へ

ずっと〜あれがしたい、これがしたい、といい続けてきました。

フランスへ行きたい、映画が見たい、北海道へ行きたい・・・・
美人になりたい、やせたい・・あれが食べたい、これが食べたい・・
ほとんど実現させないままに今に至っています。

お茶の時間、認知症になっても安心して暮らせる町をつくりたい、と言いました。
すると横から

「いつまで経っても海の中で、あれしタイ、これしタイと言い続けて
タイのままで終わるね。川へ遡る勇気はないの?」

と言う声がかかりました。
意味がわからずぼんやりしていると、

「タイ、タイって言ってるけど、本気で言うならマスだろう!
行きマス、見マス、なりマス 食べマス・・言い切る勇気はないの?」

認知症になっても安心して暮らせる町なんて、タイじゃ出来ない。
たった一人でも、「マス!」と言い切れる意志がなければやめておいた方がいい
・・・と言う。
鯛は海の魚ですが,鱒は川でも海でも暮らす魚です。
そろそろ、海から川へ遡って、と。


一人では出来ないから、みんなですこしづつ、もてるものを出し合って
つくっていこう、なんて思っていたのですが、
本気度を突かれた気がします。

続けて声の主は言います。「鮭は、河口でたむろしていて機の見えた
はじめの一匹が上り始めると後から皆が怒濤のように登り始める。
そうして鮭の遡上は始まる」と。

声の主の思いが伝わってきて,一服の濃茶をいただいたような気がしました。

タイからマスへ、認知症になっても安心して暮らせる町をつくります。
その安心がこの町の人口410,000分の1のたった一人でも、
自分の意志でマスと言い切れる事をしていこう。


本日の認知症フレンドシップクラブ 町田事務局での会話でした。(たまにはまじめに)