初仕事

引っ越してしばらく音沙汰が無かった友人が
上京したついでに立ち寄ってくれました。

夫との共通の友人なので、忌憚のないつきあいをしてきて
そろそろ35年ぐらいになります。
その彼が、奥さんの介護をしているとのこと。

確か、我々よりも若いはず・・・
その奥さんを同行しての来訪でした。

4年ぐらい前から、物忘れが始まったとのこと
彼女は一級設計士です。
家を造って、そこに住んだひとの笑顔を見ることが大好きで
建築家になったと、以前話されていました。


その彼女は家事が出来なくなったと言い
自ら台所へ立つことをしなくなっている
と言う話だったので、
「うちの台所は使いにくいので、改造できないかどうか」と
相談してみました。

すると快く一緒に台所へ来てくれて
棚の位置や調理台の高さなど、的確にアドバイスしてくれました。
彼女の言うとおりにしたら確かに、
もう少し広くなり、動きやすくなると思いました。

さすが!!、

彼女の夫(私達の友人)もその的確さに
驚きと共に喜んでいました。


診断されてから自信がなくなった妻を、これ以上傷つけないために
出来るだけ失敗をさせないようにしてきたとのこと。

それで、もしかしたら出来ることも奪ってしまっていたかもしれない
と気づいてくれました。

確かに台所で一緒におせちを盛りつけていただいたのですが
まだまだ何でも出来る様子です。
盛りつけた八寸は、見事なものでした。

この病気と診断されると、すぐに何も出来なくなるわけではありません。
誰かが付いていれば出来ることはたくさんあります。

今年もこのような誤解を出来る限り、解いて行けたらなあと
改めて心した今日でした。